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神経内分泌腫瘍のつづき。。。

以前は消化器内科をしていながら、このあたりの知識が薄いのは恥ずかしいところですが。。。たまたま勉強する機会があったのでアゲときます。

Enterochromaffin cell (Kulchitsky cell), EC cellとEnterochromaffin like cell, ECL cell

日本語で言うと「腸クロム親和性細胞」で腸と気管に見られます。ちなみに胃でも同様の細胞が見られ「腸クロム親和性細胞(Enterochromaffin like cell)」と言われています。
機能はそれぞれ、EC cellはセロトニン(5-HT)の産生、ECL cellはヒスタミンの産生です。
セロトニンは腸蠕動を亢進させます。ヒスタミンは、G細胞からのガストリン刺激により誘導され、壁細胞からの胃酸分泌を促します。

これらの細胞は、それぞれの臓器での神経内分泌腫瘍の起源となります。

A型胃炎(自己免疫性胃炎)は胃底腺領域が萎縮するのですが、高ガストリン血症を生じ胃底腺領域のECL(enterochromaffin-like)細胞が増加します。ECL増生はECM(endocrine cell micronests)を経てカルチノイド腫瘍の発生となるそうです。

大先輩の九嶋先生のブログでは、
『A型胃炎などで萎縮した胃底腺粘膜をみて内分泌細胞の集簇巣を、おおよそ0.1mm、0.1-0.5mm、0.5mmを境にECM、microcarcinoid (neoplastic ECM)とcarcinoidに分類し、0.1mmより小さくてもcarcinoid-like structureやatypiaがあればneoplastic ECMとするのがよいのでは。。。』と書かれています。
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↑画像は杉原教授より頂いたendocrine micronestsの画像です。学生さんはどこかわかるかな?わからない人は第2病理まで(笑)
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↑これはcarcinoid tumor。。。
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↑どうしても炎症細胞に目が行ってしまうのですが、リンパ球よりも好酸球が目立ちます。
by hqpatho2 | 2011-12-09 10:34 | 日常

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