2011年 12月 09日
神経内分泌腫瘍のつづき。。。
Enterochromaffin cell (Kulchitsky cell), EC cellとEnterochromaffin like cell, ECL cell
日本語で言うと「腸クロム親和性細胞」で腸と気管に見られます。ちなみに胃でも同様の細胞が見られ「腸クロム親和性様細胞(Enterochromaffin like cell)」と言われています。
機能はそれぞれ、EC cellはセロトニン(5-HT)の産生、ECL cellはヒスタミンの産生です。
セロトニンは腸蠕動を亢進させます。ヒスタミンは、G細胞からのガストリン刺激により誘導され、壁細胞からの胃酸分泌を促します。
これらの細胞は、それぞれの臓器での神経内分泌腫瘍の起源となります。
A型胃炎(自己免疫性胃炎)は胃底腺領域が萎縮するのですが、高ガストリン血症を生じ胃底腺領域のECL(enterochromaffin-like)細胞が増加します。ECL増生はECM(endocrine cell micronests)を経てカルチノイド腫瘍の発生となるそうです。
大先輩の九嶋先生のブログでは、
『A型胃炎などで萎縮した胃底腺粘膜をみて内分泌細胞の集簇巣を、おおよそ0.1mm、0.1-0.5mm、0.5mmを境にECM、microcarcinoid (neoplastic ECM)とcarcinoidに分類し、0.1mmより小さくてもcarcinoid-like structureやatypiaがあればneoplastic ECMとするのがよいのでは。。。』と書かれています。
↑画像は杉原教授より頂いたendocrine micronestsの画像です。学生さんはどこかわかるかな?わからない人は第2病理まで(笑)
↑これはcarcinoid tumor。。。
↑どうしても炎症細胞に目が行ってしまうのですが、リンパ球よりも好酸球が目立ちます。
by hqpatho2
| 2011-12-09 10:34
| 日常